良県橿原市(かしはら市)の市役所分庁舎が2月にオープンしました。
橿原市は、12万4000人と奈良県の中で2番目の規模です。

この新しい市役所の建物は、窓口機能を集約したものですが、
それ以上に、「市役所」と「ホテル」がセットになった
全国初の複合施設として注目されています。

お役所が100%公共施設であるべきという考え方は既に過去のものになっています。

ホテルは、カンデオホテル(リンクはこちら)というチェーンホテルです。
1-4階が市役所庁舎で、5階から上がホテルになっています。
もともとは公営プールでしたが、跡地の開発は、民間資金を活用する
PFI方式で進められました。もともと奈良県は世界的な歴史遺産が多くありながら、
ホテルや飲食店の少なさによる観光分野の弱さが指摘されていました。

一方、当初の計画で明かされていなかったレストランや宿泊費の安さによって、もともと
地元にあるホテルなどの民業を圧迫しているという意見もあります。

毎日放送(関西のテレビ局)の取材(動画はこちら)では、下図のような図で資金の構図が
説明されています。
通常、庁舎を建てると基本的に建設費の全額が税金ですが、ホテル側からの市への支払いに
よって、毎年4600万円の収入が生まれ、施設が「稼ぎ」を生み、宿泊客が増えることで、
市域の観光にプラスになると言う見方ができます。
しかし、ホテルの本社は東京であり、ホテルの収益は東京の会社のものです。

市の経済の発展を考えると、こうしたプロジェクトを通じて既存ホテル事業者に
事業機会を提供することができれば、地元の経済に成長のチャンスが生まれたかもしれません。

地方都市のプロジェクトでも、事業規模や実績などが重視され地元の事業者に参加機会が
与えられないこともあります。背景にあるのは、地元の事業者を育てるという視点の欠如です。
大きな事業者のノウハウが必要な場合は、合弁事業を契約の条件にする方法も考えられます。

地域の成長の鍵は、地元の事業者であり次世代が育つ環境づくりです。

大きな建物の維持には、建設費の4倍のお金が必要とされます。
橿原市のこれからの経営手腕が注目されます。

 

(奈良の事例)ホテルと一体の新庁舎